『シンフォニア・ノビリッシマ』解説とおすすめ演奏動画まとめ

吹奏楽

こんにちは。管理人のまっしーです。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

さて、 今回は、ロバート・ジェイガーの名曲『シンフォニア・ノビリッシマ』をご紹介します。

この曲は、近年は演奏される機会が少しずつ減ってきているように感じるのですが、荘厳な雰囲気の中にも華やかさや美しさを備えた名曲なので、特におすすめしたい曲の1つです。

実は、事前にTwitterでこの曲の知名度について調査したところ、「曲を知っている」方はわずか4割弱にとどまりました(回答総数125名)。

マー坊
マー坊

逆に言うと、6割強の方はこの曲を知らないということなんだね

この結果は、おそらく、まっしーのフォロワーさんには若い方が多いからだと思いますが、曲を知らない方は、ぜひ記事の後半で演奏動画をご覧いただければと思います。
私は、初めて冒頭部分を聴いたとき、荘厳で美しい響きに、まるでパイプオルガンを聴いているような印象を受けたものです。

お嬢
お嬢

ああ、だからトップ画像はパイプオルガンの写真なのね

はい。記事の後半では、選りすぐりのおすすめ演奏動画を3つご紹介しますのでお楽しみに。

マー坊
マー坊

ところで、まっしー、今回の曲はどうして『シンフォニア・ノビリッシマ』なの?

お嬢
お嬢

この曲は、特に思い入れのある曲って言ってたわよね

はい、そうなんです。

実は、この曲『シンフォニア・ノビリッシマ』は、まっしーが中学2年の時に、初めての吹奏楽コンクールで演奏した曲なんです。当時、1stコルネットを担当しました。

2020年のコンクールは中止となって落胆の声があちこちから聞こえてきた中で、今こそ元気を与えくれる感動的な名曲を皆さんと共有したいと思って選曲しました。

さて、前置きはこのくらいにして、早速始めましょう!

『シンフォニア・ノビリッシマ』とは

ロバート・ジェイガーの代表作

シンフォニア・ノビリッシマ』(伊:Sinfonia Nobilissima)は、アメリカの作曲家ロバート・ジェイガーによって1963年に作曲された吹奏楽曲です。

邦題は『吹奏楽のための高貴なる楽章』といいますが、一般的には原題の『シンフォニア・ノビリッシマ』の方が広く浸透しているようです。

曲は、婚約者であるジョン・ルシルに捧げられたもので、そうした想いが、中間部のメロディアスで美しい旋律に表れているのだと思います。

この曲の魅力とは

この曲に馴染みのない方のほうが多いようなので、まずこの曲の魅力について語っていこうと思います。

【魅力1】重厚で華やかな序奏

冒頭でも触れましたが、序奏の6小節は、重厚な響きの中にも華やかさや美しさがあるのがとても印象的です。

冒頭、トランペットなどの高音楽器による旋律上行形で進行していくのですが、逆に低音楽器下行形で進行していきます。

つまり、冒頭から6小節かけて旋律に華やかさが増していくのと同時に、低音の重厚さが増していくのです。この荘厳な響きに浸る感覚を、後半の演奏動画で、ぜひ皆さんと一緒に体験してみたいと思います。

マー坊
マー坊

この曲は、低音楽器の重厚なサウンドがたまらないよね

お嬢
お嬢

ピアノを弾く方は、ぜひコンデンススコアを使って序奏をピアノで弾いてみるのもおすすめですよ

【魅力2】ロマンティックな中間部

7小節目のAllegro con brioからは、急にテンポが速まり、クラリネットによる主題が始まります。この曲は「急⇔緩⇔急」の対比がまた魅力です。

そして間もなく訪れる中間部では、主部とは対照的に、ゆったりとロマンティックなメロディが流れます。さまざまな楽器のソロやソリが効果的に織り交ぜられるのも印象的です。

マー坊
マー坊

クラリネットの旋律や、コルネットのソロ、オーボエのソロは特に美しいよね

お嬢
お嬢

そのあとのホルンやユーフォニアム、アルトサックスの対旋律も素敵なのよね

【魅力3】多くの楽器の多彩なる活躍

この曲は、R.ジェイガーによる巧みな構成、そして、ソロ/ソリ/トゥッティの効果的な活用によって、多くの楽器が多彩に活躍するよう作曲されています。

別の言い方をすれば、どの楽器にもスポットライトが当たる全員が主役の曲であり、そこがまたこの曲の魅力の1つでもあります。

マー坊
マー坊

「高音楽器」「中音楽器」「低音楽器」「打楽器」のどのセクションにしても、すごく活躍するんだよね

お嬢
お嬢

だから、どのパートもみんなが楽しめるのね

【魅力4】力強く盛り上がる終盤

この曲の終盤は、中間部の美しさとは対照的に、大きな盛り上がりを見せます。

再び登場する主題のトゥッティの後、金管楽器のハーモニー木管楽器の高速音階を経て、一糸乱れぬ緊張感あるリズム打ちで終幕を迎えます。特に最後の1分間は荘厳で緊張感のあるクライマックスに魅了されます。

おすすめの演奏動画

さて、ここで、おすすめの演奏動画をご紹介します。

龍谷大学吹奏楽部の演奏(2011年)

今回ご紹介するのは、当サイトがいつもお世話になっている龍谷大学吹奏楽部さんの演奏です。

アマチュアでこれほどまでに完成度の高い『シンフォニア・ノビリッシマ』が演奏できるのは、さすが全国レベルの龍谷大学吹奏楽部さんならではだと思います。

それにしても、この充実した金管楽器の編成は本当に羨ましい限りです。トランペットが12本、ホルンが8本、トロンボーンが7本、フューフォニアムが3本、チューバが4本ですからね。聴いていて圧倒されます。

ちなみに、中間部の美しいトランペット(コルネット)ソロは3:26頃~、オーボエソロは3:33頃~、4:05頃~、ホルンの対旋律は4:35頃~です。

参照元URL:https://youtu.be/HP7VsWC3I74

Amazonなら、東京佼成ウインドオーケストラ(指揮:大井剛史)の演奏が1曲から購入できるので、こちら↓もおすすめです。

こちら↓は、シエナ・ウインドオーケストラによる演奏です。こちらも1曲のみ購入できます。

コンクールでの演奏実績は?

さて次に、吹奏楽コンクールでの演奏実績についてもご紹介しておきます。

まずは、県大会における演奏実績にスポットを当てて見ていきます。

1960年代から長く演奏されている曲

1969年に2団体が初めてコンクールで演奏し、1976年に31団体が演奏したのをピークに、その後は徐々に減少傾向にありますが、長く人気を維持していると言えます(数字は、小/中/高/大/職場一般部門の合計です)。

近年は演奏される機会が少なくなっていますが、かつては全国大会(中学/高校/大学/職場一般)でも演奏された息の長い名曲です。

どちらかというと中学校での採用が多い傾向にありますが、高校など他の部門でも演奏されています。

全国大会での演奏実績は?

実は、全国大会では、1977年に天理中学が演奏した後、長いあいだ空白期間が続いており、それ以降、現在までに全国大会で演奏したのは2011年の高知大学のみとなっています。

いつの日か、またこの曲でコンクールの歴史を塗り替える団体が現れてくれるのを期待したいと思います。

(参考文献)吹奏楽コンクールデータベース「Musica Bella」へのリンク


編成と難易度(グレード)

編成と難易度は以下のとおりです。
グレードは「4」なので、決して難しすぎることもなく、中学生でも十分チャレンジできると思います。

また、打楽器に小物楽器がほとんどなく人数が抑えられているので、意外にも中編成以上(33人程度~)で演奏できます。少ない人数なのに豪華な曲という点でとてもおすすめです!

編成と難易度

<編成>
Picc / Fl 1-2 / Ob 1-2 / Bsn / Bb Cl 1-3 / A.Cl / B.Cl / A.Sax 1-2 / T.Sax / B.Sax / Cor 1-3 / Tp 1-2 / Hr 1-4 / Tb 1-3 / Euph / Tuba / Timp / SD / Cym / BD

<グレード(難易度)>
4(あくまでも目安です)

<演奏時間>
約6分30秒

参考文献:Theodore Presser社HP


楽譜のご紹介

シンフォニア・ノビリッシマ』の楽譜は、米国のTheodore Presser社からの輸入譜となります。楽天等でも購入できますので、以下にリンク先をご案内しておきます。


最後に

いかがでしたか?

1960年代に作曲された歴史ある名曲なのですが、今でも色あせない魅力がありますよね。

マー坊
マー坊

演奏時間も6分半ほどだし、コンクールだけでなく演奏会の曲目としてもいいよね

お嬢
お嬢

曲になじみのなかった皆さんともこの曲の良さが共有できたなら嬉しいわね

今後この曲を演奏する団体が増えていくと嬉しいです。

では、また次回の記事でお会いしましょう!

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