【吹奏楽】2019吹奏楽コンクール課題曲Ⅴ『ビスマス・サイケデリアⅠ』の解説と音源等まとめ

2019年

こんにちは。
管理人のまっしーです。

今回は、2019年度全日本吹奏楽コンクールの課題曲Ⅴ『ビスマス・サイケデリアⅠ』について、曲の概要や音源等をご紹介していきます。

この曲をコンクールで演奏された方は、どのくらいいらっしゃるでしょうか。
この曲、やはり課題曲Ⅴだけあって、技術面でも曲の解釈の面でもとっても難しいと感じる曲ですよね(もちろん、Ⅰ~Ⅳも別の次元での難しさがあるんですけどね)。

記事の後半では、プロの吹奏楽団の演奏動画をご紹介していますので、この曲の魅力も難しさも皆さんと共有できればと思います。

では最初に、この曲を知らない方のために、簡単に曲についてご説明しておきます。

『ビスマス・サイケデリアⅠ』ってどんな曲?

ビスマス・サイケデリアⅠは、日景貴文氏(1990年-)によって作曲された、第11回全日本吹奏楽連盟作曲コンクールで第1位に輝いた作品です。

曲のタイトルからして、難解な印象を受けますが、「ビスマス」とは、金属(鉱石)の名前であり、その結晶はさまざまな色に光り輝く特徴があります(写真↓をご参照)。

ビスマスの結晶
ビスマスの結晶

また、「サイケデリア」(psychedelia)とは、「幻覚剤によってもたらされる心理的感覚や幻覚、極採色の渦巻くイメージによって特徴づけられる視覚・聴覚の感覚」とされています。

私が最初に「ビスマス・サイケデリアⅠ」を聴いたとき、「カオス」(混沌)という言葉が思い浮かびました。しかし、何度か聴いてみると、単なる「カオス」ではなく、時どき規則性をもった音・リズムや、計算された複雑さのようなものが感じられ、不思議な魅力を感じるようになりました。

作曲者の日景貴文氏は、吹奏楽連盟の会報誌の中で次のように述べられています。

虹色に煌めく柱や断面が、規則的に、ときに不規則に集合する。それはまるで、古代の謎多き墓地や、遠い未来の廃墟を切り取ったもののようにも思えます。原子番号83番、ビスマス。ギラギラと輝くその不思議な功績に、私は一目で魅了されてしまい、作曲に至りました。

「ビスマス・サイケデリアⅠ」は、ビスマスに対する私のイメージ(・・・・・・連続、反復、渦、極採色、金属質、規則的と不規則など)を現した作品です。

全日本吹奏楽連盟会報「すいそうがく」 2018.12 No.209

これを読むと、あの難解な曲も、「なるほどそういう背景があったのか」と納得がいくような気がしますし、より興味をもって曲を聴くことができるように思います。

編成は?

編成は以下のとおりです。打楽器群が非常に多く、編成は大きめとなっています。

編成(「ビスマス・サイケデリアⅠ」)

Picc. / Fl.1-2 / Ob. ×2 / Bsn. ×2 / Eb Cl. / Cl.1-3 / A.Cl. / B.Cl. / A.Sax.1-2 / T.Sax. / B.Sax. / Trp.1-3 / Hrn.1-4 / Trb.1-3 / Euph. / Tuba / St.Bass / Timp. / S.D. / B.D. / S.Cym. / Hi-hat / Tri. / Tamb. / Slide Whistle / Flexatone / 3 Cowbells / Ratchet / Vibra-slap / Whip / Wind Chime / 2 Bongos / 2 Congas / 2 Anvils / Tam-tam / Xylo. / Glock. / Marimba / Vibra. / Tubularbells

参考音源

ここで、演奏動画をご紹介しようと思うのですが、実は、あまり多くの演奏が公開されていません。
難易度が高いため取り上げる演奏団体自体が少ないという現実的な事情もあるでしょうし、もしかすると、この曲が本命で本番前に手の内を明かしたくないということもあるのかもしれません(あくまで個人的な推測です)。

そんな中で、いつも当サイトがお世話になっているプロの吹奏楽団による演奏動画が公開されていますので、今回はこの1つの演奏に絞ってご紹介します。

WISH Wind Orchestra

もはや吹奏楽経験者の方にはご説明不要のプロの吹奏楽団、「WISH Wind Orchestra」による演奏です(指揮:甲斐 誠)。これほど正確な演奏は、さすがプロだと思います。

参照元URL:https://youtu.be/_pvHkG_N46g

最後に、こちらは↓東京佼成ウインドオーケストラによるCDです。やはり昔からの名門プロ吹奏楽団の演奏が聴きたいという方には、こちらのCDをお勧めします。

いかがでしたか?

とても難しい曲ですが、それだけに取り組み甲斐のある曲だと思います。

複雑な曲でありながらも計算された規則性といった要素もある曲であり、基本に立ち返って楽譜に忠実に演奏することから心掛けたいものです。

この曲を演奏する皆さん、ぜひ頑張ってください!


もし宜しければ、他の課題曲の記事もご覧ください。

では、また次の記事でお会いしましょう!

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