皆さん、こんにちは。管理人のまっしーです。
今回は、ジェイムズ・スウェアリンジェン(James Swearingen)のおすすめの人気曲を10曲厳選してご紹介します。

スウェアリンジェンの曲って聴きやすい曲が多いから好きなんだ。

そうよね。比較的易しい曲も多いから、吹奏楽を始めた頃にスウェアリンジェンの曲に出会った人も多いみたいね。
はい。私がスウェアリンジェンの曲に最初に出会ったのも、吹奏楽を始めたばかりの中学生の頃で、当時とにかくハマりました。
スウェアリンジェンの曲って、どんな曲?
スウェアリンジェンの曲は、メロディーが親しみやすく印象的で、構成も分かりやすいのが特徴だと思います。また、グレード(難易度)が比較的低くて演奏しやすい曲が多いのも人気の秘密だと思います。
演奏する側だけでなく、演奏を聴くお客さんにとっても楽しめる曲が多いので、定期演奏会などのコンサートを飾る曲にもおすすめです。
最近の人気はどうなの?
近年、演奏されることがめっきり減ったように感じて、事前にTwitterでアンケートを取ってみました↓。
J.スウェアリンジェンの曲って、近年あまり耳にしなくなったように思うんだけど、実際のところ、人気はどうなんでしょう?
— まっしー🎺@吹奏楽ブログ (@massy_tp) October 3, 2019
現役で吹奏楽をやっている皆さん、J.スウェアリンジェンの曲を演奏したいと思いますか?
FF外の方も、お気軽にどうぞ。#吹奏楽 #吹奏楽部 #吹奏楽部さんと繋がりたい
意外だったのは、「曲を知らない」人が26%もいることでした。吹奏楽経験が長い方やスウェアリンジェン世代の方は、この数値の高さに驚くことでしょう。
そこで、今回は、スウェアリンジェンの曲を知らない方のためにも、おすすめの曲を厳選してご紹介することにしました。
また、選曲の際に参考にしていただくため、グレード(難易度)も記載しました(あくまで目安です)。
さらに、Top3の曲には編成も記載しておきました。
今回のランキングについて
今回のランキングは、「演奏する側/演奏を聴く側の両方にとって親しみやすく、演奏会におすすめしたい曲」という観点で、管理人が周囲の吹奏楽経験者にヒアリングして順位付けを行っています。最終的には管理人が判断していますので、ご了承ください。
では、早速ご紹介していきます。
第10位『栄光のすべてに』
第10位は、『栄光のすべてに』(In All Its Glory)です。
この曲をひと言で表すなら、「スウェアリンジェンらしさで溢れる曲」だと思います。
親しみやすく印象に残るメロディー・ソロ、変拍子、シンコペーション、華やかなフィナーレなどなど、この曲を知らない人でも、きっと聴いた瞬間にスウェアリンジェンの曲だと分かることと思います。
曲の構成も、スウェアリンジェン作品でよく見られる三部形式(A-B-A)です。
短い前奏 ⇒ 速い主題(A) ⇒ ゆったりとした中間部(B) ⇒ 主題の再現(A) ⇒ 華やかなフィナーレ、というのがスウェアリンジェンの曲の定番の型です。
この曲は、特に前奏や中間部のノスタルジーを感じさせる印象的な音楽が魅力だと思います。過去の時代や栄光を思い起こさせるような美しいメロディやソロは、聴く人の心をつかみます。【グレード:4 (あくまで目安です。以下同様) 】
第9位『管打楽器のための祝典』
第9位は、『管打楽器のための祝典』(Celebration for Winds and Percussion)です。
曲名からは、「華やかなファンファーレ」や「派手な打楽器伴奏」を想像するかもしれませんが、実際には、ゆったりとしたメロディーで始まり、決して派手な曲ではありません。
しかし、そこはやはりスウェアリンジェンらしく、ゆったりと優しい曲調を保ちつつも感動的な祝典音楽に仕上げられていて、聴く人を惹きつける魅力的な曲に仕上がっています。【グレード:3】
<演奏:SHOBIシンフォニックバンド>第8位『チェスフォード・ポートレイト』
第8位は、『チェスフォード・ポートレイト』(Chesford Portrait)です。
この曲も、スウェアリンジェンの定番の三部形式(A-B-A)で、速いテンポの主題と、ゆったりとした中間部が特徴です。
主題部分(A)では、スネアドラムのスピード感あふれるリズムに合わせて管楽器の軽快なメロディが流れます。中間部(B)は対照的に、ゆるやかな美しい旋律が魅力です。【グレード:3】
第7位『センチュリア序曲』
第7位は、『センチュリア序曲』(Centuria Overture)です。
出版社のバーンハウス社の創立100周年を祝って作曲されたこの曲は、ティンパニーのロールとともに金管楽器の華やかなファンファーレの前奏で始まります。
その後に現れる主題は、木管楽器とシロフォンの可愛らしく軽やかなメロディーが特徴的です。
次に現れる中間部は、スウェアリンジェンらしいゆったりとした美しいメロディーからなるのですが、曲調が短調でどこか物憂さげな雰囲気があり印象的です。
再現部では再び木管楽器とシロフォンの主題が現れ、最後は金管楽器が盛り上げてフィナーレを迎えます。【グレード:3】
<演奏:東京佼成ウインドオーケストラ>第6位『コヴィントン広場』
第6位は、『コヴィントン広場』(Covington Square)です。
この曲は、典型的なスウェアリンジェンの形式の、前奏+三部形式(A-B-A)で構成されています。
主題は、可愛らしく親しみやすいメロディーで、伴奏も四分音符のリズムが中心のシンプルな曲なのですが、一度聴くと頭から離れないほど、不思議と印象に残る名曲です。
コルネットにソロがありますが、音域的にも吹きやすいので、中学生バンドにもおすすめです。【グレード:3.5】
第5位『マジェスティア』
第5位は、『マジェスティア』(Majestia)です。
この曲も、スウェアリンジェンらしく、前奏+三部形式(A-B-A)で構成されています。
冒頭はフルートのソロで始まり、それが主題となってトランペットのソロにつながり、トロンボーン、ホルンへと次々と受け継がれていきます。リズムも、やはりスウェアリンジェンらしいシンコペーションのリズムです(「タタタターンタタン」と書けばお分かりですね)。
曲は、メロディもリズムもシンプルにも関わらず、ソロ(ソリ)も豊富で、聴き映えもする曲なので、おすすめです。【グレード:3.5】
第4位『アヴェンチュラ』
第4位は、『アヴェンチュラ』(Aventura)です。
この曲は、スウェアリンジェンの曲にしては少し珍しく、短調の物悲しいメロディーで始まります。しかしそのまま終わらないのがスウェアリンジェンで、やがて、短調→長調→短調→長調と明転/暗転を繰り返していきます。
心に訴えるメロディーと短調/長調のコード進行が印象的で魅力ある名曲です。フルートのソロの他、珍しくユーフォにもソロがあります。【グレード:3】
第3位『シーゲート序曲』
第3位は、『シーゲート序曲』(Seagate Overture)です。
この曲は、「海の門(シーゲート)」というタイトルのとおり、ゆったりとしたメロディーの前奏で始まります。
短い前奏のあと、アップテンポの主題に変わります。
この曲は、多くのパートにソロ(ソリ)があって、ひと通りのパートが楽しめる曲なのでオススメです。
また、パーカッションには、ちょっと珍しい木魚(Temple Blocks、5個)が使われていたり、シロフォンも活躍するので、目立ちたいパーカッションパートの方にもオススメです。
楽譜は大編成用に書かれていますが、打楽器さえ揃えば小編成でも演奏できるので、小編成バンドや中学生バンドにもオススメします。
演奏音源と編成・グレード
<編成>
Picc. / Fl.1-2 / Ob.1-2 / Bb Cl.1-3 / Eb A.Cl. / Bb B.Cl. / Bsn.1-2 / A.Sax.1-2 / T.Sax. / B.Sax. / Trp.1-3 / Hrn.1-4 / Trb.1-3 / Euph. B.C. / Euph. T.C. / Tuba / St.Bass / Perc.1(S.D.、B.D.) / Perc.2(C.Cym、Tri.、Tamb.、Temple Blocks、Bongos) / Mallet Perc.(Vib.、Xylo、Chimes、Glock.) / Timp.
<グレード>
3(あくまで目安です)
参考文献:株式会社ミュージックエイトHP
第2位『誇りと祝典』
第2位は、『誇りと祝典』(Of Pride and Celebration)です。
この曲は、とても聴き映えがするのでおすすめです。
グレード的には難しくないのに、聴いていてカッコよく聴こえる、そんな不思議な魅力のある曲だと思います。
さて、この曲は、最初の短い序奏の後にパーカッションが続き、シンコペーションのリズムを伴ったハーモニーにトランペットが旋律を奏でます。
中間部はスウェアリンジェンらしいゆったりとしたメロディーで、この後最初のパターンに戻りコーダヘと向かいます。
終結部では中間部の旋律が低音楽器で短く奏され、打楽器のリズムに導かれるように主部の旋律が形を変えて出てきて終わります。
グレード的にも易しいのにかっこいいので、中学生バンドにもオススメします。演奏会のオープニングなどにもいかがでしょうか。
演奏音源と編成・グレード
<編成>
Picc. / Fl.1-2 / Ob. / Eb Cl. / Bb Cl.1-3 / A.Cl. / B.Cl. / Bsn. / A.Sax.1-2 / T.Sax. / B.Sax. / Trp.1-3 / Hrn.1-4 / Trb.1-3 / Euph. / Tuba / St.Bass(Electric Bass) / Perc.
<グレード>
3(あくまで目安です)
参考文献:株式会社ミュージックエイトHP
第1位『インヴィクタ序曲』
第1位は、『インヴィクタ序曲』(Invicta, Overture for Band)です。
この曲はスウェアリンジェンの曲の中では最もポピュラーな曲と言えると思います。
この曲も、A-B-Aの典型的な三部形式で、リズムは、スウェアリンジェンの定番ともいうべき「タタタターンタタン」のシンコペーションのリズムが基本です。
クラリネットによる低音の第一主題はとても印象的です。また、その後に現れる第二主題もやはり美しく印象的です。
実は、このあと、第一主題と第二主題は同時に演奏されるのです。つまり、主旋律と対旋律の関係にあるのです。これが不思議と調和しますし、やはり印象的です。これぞスウェアリンジェンの名曲といった感じです。
グレード的にも難しくない名曲なので、中学生バンドにもオススメです。
演奏音源と編成・グレード
<編成>
Picc. / Fl.1-2 / Ob. / Bsn. / Eb Alto Cl. / Bb Cl.1-3 / Bb B.Cl. / A.Sax.1-2 / T.Sax. / B.Sax. / Bb Corn.1-3 / Hrn.1-4 / Trb.1-3 / Euph. B.C. / Euph. T.C. / Tuba / Timp. / S.D. / B.D. / C.Cym. / S.Cym. / Tamb. / Glock. / Chimes.
<グレード>
3(あくまで目安です)
参考文献:株式会社ミュージックエイトHP
いかがでしたか?

親しみやすいメロディと特徴的なリズムが印象的な曲ばかりだったよ。

そうよね。どの曲も形式や雰囲気が似ているようにも感じたけど、それがスウェアリンジェンの定番の型なのよね。
はい。「どの曲も同じ」「スウェアリンジェンは飽きる」と批判する声も時々聞きますし、かつての人気が徐々に低下しているようにも感じますが、でもやはり1つ1つは名曲ばかりだと思います。
最後に、もう1曲、どうしても『ロマネスク』をご紹介したいのですが、この曲は、上記10曲とは全く違った雰囲気のある曲です。このため、別の記事でご紹介させていただきます。もし宜しければ、以下の記事もご覧ください。
またスウェアリンジェンの名曲が見直されると嬉しいです。
では、また次の記事でお会いしましょう!